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お知らせ・ブログ

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2014/03/01
なぜ中学入試

全国学力テストから考察する京都府の中学入試


◆京都府の特異性

京都府の結果は、東京都以外には類似性はなく、極めて特異である。小6時は全国上位で、中3時は中位、高3時では再び上位となっている。 これは、それぞれの受検対象者に原因がある。小6は全公立小学校で受検し、非受検は私学のみ。中3も同様。センター試験は、高校の公私立は関係なく成績下層は非受験。 ということは、成績上位層は小6は公立小学校に、中3では私学に在籍し、高3ではセンター試験を受験しているという構図が明らかになる。
すなわち、京都府・東京都は中学進学時に上位下位の二極分化がみられるのである。確かに、両府都には、洛南・洛星・開成・麻布・武蔵などの進学校や同立早慶といった大学系列校がしっかり根付いている。 他府県に比べて、早い時点で選別が行われているため、公立中学では上位層がすっぽり抜けて在籍していないという環境が出来上がっている。
それを裏付けるように、2013文部科学省調査で京都府の中学生の10.3%が家庭学習を全くしないと答え、全国平均の5.9%を大きく上回った。

◆他府県の状況

事情の異なるお隣の大阪府では、学力テストの結果を見た当時の知事が大憤慨していたが、小6時は全国下位で、中3時はさらに下位に、高3時には一躍全国上位になっている。 高3時に、限られた上位層だけがセンター試験を受験し、中低位層は受験すらしていないと思われる。高校がトップ校・集中校・底辺校と階層化している現状がうかがい知れる。 大阪府では、まず中学進学時に上位層がほんの少し抜け、 次に高校進学時に、(1)センター試験を受験する上位層・(2)センター試験を利用しない私立大学を目指す層・(3)センター試験とは無縁の層に三分化する。 すなわち高校が公立私立含めて、階層化しているのである。そのため高校受験が大きな岐路となっている。

◆生徒集めテクニックが支える堀川の奇跡

堀川高校探究科が、一時京大合格60人超えを見せ鼻息が荒かったが、公立中学での三年間の出遅れを取り戻せる生徒はそう多くはない。 青田刈りの手法で、国私立中学を含めた全府域から優秀な生徒を一足早く集め、さらに試験で選別しているからこその結果である。 さらに他府県にならって上位公立高校を何校も作ろうとする動きがあるが、公立高校には転勤があり教員の質を保つことに無理がある。 「15の春は泣かせない」と念仏を唱え、長年学力向上に背を向けてきたツケは、制度変更の連発だけでそう簡単には返せるはずがない。 「ドラゴン桜」でスタートした京都八幡高校の京大コースのギネス級の惨憺たる結果は記憶に新しい。

◆後悔しない選択

京都府は全国的に見て特殊であるため、他府県出身の保護者は自分の経験を基にしてはいけない。 「中学生になってから真剣に勉強したらよい」という高校受験に主眼を置く他府県型の価値観にだまされてはいけない。 上位層のすっぽり抜けた京都府の公立中学には「真剣に勉強する環境がない」といっても過言ではない。 京都府で、中学受験のチャンスを放棄するのは、小学高学年から中3までの5年間ダラダラ過ごすことに直結し、致命傷に近い。 中学受験の指導は、特別なもので、どこの塾でもできるものではない。甘くても、スパルタでも生徒は伸びない。下手をすると燃え尽きてしまう。 塾は、経験と実績で、しっかり選ぶことが肝要。 大手塾型の、生徒を次々とふるいにかけて行く手法も、残っていけば問題はないので理解できる。 しかし、弾き飛ばされたときに「くすぶったまま」で無為に大手塾でそのまま過ごしている生徒が多すぎはしないか。